第6回投稿

みなさんこんにちは。イルカ兄さんです。前回のブログでは、我々尼崎BBS会の仕事について少し話を展開しました。今回は、当ブログの初期の頃に好評だった保護司へのインタビューの企画をやりたいと思います。私も将来的には、保護司を目指しているので、ぜひ保護司の仕事について知っておきたいなと思っています。では、中の人お願いいたします。

こんにちは、よろしくお願いします。

さっそくですが、担当した対象者とのコミュニケーションはどのようにされていますか。難しいことなどはありますか。

気をつけることはありますが、基本的に普通の会話をしますよ。まあ、保護観察対象者と歳も離れていますし、難しいことはありますね。例えば中学生の対象者との面談で、どこまで言ってあげられるかを考える必要があります。その子のことを思うと、伝えたいことが多くて止まらなくなってしまいますね。
対象者の友達付き合いについて、本音は「そんな人と付き合ったらいけない」と言いたくなりますが、相手を見てどこまで教えられるかを取捨選択します。その子の親がしっかり言ってくれそうなのであれば、見守ることに徹します。家でも保護観察でも言われたら心理的にも負荷がかかりますからね。

見守るっていうのはどういうことでしょうか。

相手と同じ目線でいるこ見守るというのは、実は高等テクニックです。まず、対象者の話をしっかり聞いてから反応することです。相手の言うことを先読みして、「どうせ〇〇でしょ」と言いたくなるのですが、これでは良い関係が作れません。その子の立場に立ってコミュニケーションを取るのが重要になってきます。
とが大事なんですね。

相手と同じ目線でいることが大事なんですね。

そうですね、そのためには大事なことがいくつかあります。私が実践しているのは、対象者と心の会話ができるフィールドを用意してあげることです。会話だけ交わすより、一緒に作業するほうがうまく話ができることが多いです。一緒に絵を描いたり、草引きしたり、トランプ占いをしたりすることもあります。

面白いですね!共通の話題が自然とできそうですね。

そうなんです。そのあとがスムーズに行きますね。そこから、相手が興味があることを知って、さらに信頼関係を深めることもできます。過去に、自身がトランスジェンダーを自覚している対象者と、「トランスジェンダーの自覚がある芸術家」の講演会に行ったことがあります。こういうことも、最初に一緒に作業をしたり、共通の話題を探したりしていたからこそ実現したものです。その子は社会に対する問題意識を持って、時に自分の意見を熱弁することもありました。そういう時は、関係を作るチャンスで、ぜひその子に「教えてもらう」というスタンスで話を聞くことに徹します。

その対象者とのコミュニケーションは順調だったんですね。反対に、他の対象者で、会話のやりとりが難しいなと思うことはないのでしょうか。

喋ってくれない人が一番難しいですね。今までに何人かいました。ただそれは、その人の責任ではないです。そういう場合は、無言になることもありますが、全く問題ないです。確かに、更生に関わったぞという達成感を感じにくいかもしれないですが、本人には普段の面談や一緒にする作業が何かしらの形で響いていると信じています。それも更生保護活動の一環だと思います。また、そういう方が喜怒哀楽を表現をしてくれたらホッとしますし、新たな発見もあります。

なるほど、私も寡黙なほうなので、そういう保護司さんがいたら、私は依存してしまいそうです。対象者にとって深い関わりのある保護司ですが、保護司に依存しがちになってしまうことはないのでしょうか。それはやっぱり良くないことですよね。

どういう依存かにもよりますね。気持ちの依存であればしても構わないと思います。お互い様ですしね。心で思うことのやり取りが、時に重くなっても構いません。例えば、恋愛相談をされることもあります。「しばらくは楽しく付き合っていたが、親に反対されて恋人と別れさせられてしまう」などの話も、聞きました。反対に、私からも相手に気持ちを表現することもあります。未成年の犯罪者の中には、悪い大人に騙されて捕まっている人が非常に多いです。そういう事件に巻き込まれた未成年の対象者と話すと、その黒幕の大人に腹が立つときもあります。そういう気持ちに関する情報は、「こういう風に思っているんだよ」と対象者に発信するようにしています。また、我々保護司は、対象者がそういう依存しがちな状況というのを想定できています。ただし、保護観察期間は法で決まっているので、期間終了後、本人の自立を意識した関わりをしなくてはなりません。これが難しい。「もう終わり」っていうと、「まだ来たい」っていう人が沢山いますが、こういう依存はしてはいけないなぁと反省することもあります。

最後に、保護司の魅力を伝えていただけませんか。

保護観察対象者と、「どんな時代でも変わらないもの」を共有できますよ。例えば、畑で一生懸命育てた作物を見て、その成長に感動する気持ちや、おじいちゃん・おばあちゃんとの交流っていうのは、時代の変化とともに変わっていくものではないと個人的に思っています。このような共有の積み重ねが、身の回りにある小さな悪と戦っていける糧となるんじゃないかな。としみじみ思います。

ありがとうございます。本当に勉強になりました。かなり具体的な話が聞けてとても満足です。保護司の方は、相手を思いやる意識が非常に高く、コミュニケーションの方法も豊富にお持ちなんだなと感じました。これからも、更生保護の活動に関しての情報を発信をしていきます。よろしくお願いします。